「相続税って、資産家だけが気にするものじゃないの?」
そんなふうに思っていませんか?
実は今、相続税が“他人事”ではなくなってきていることをご存じでしょうか。
とくに持ち家がある・親の名義で不動産や預貯金を保有している…そんな家庭では、想定外の相続税トラブルに直面することもあります。
この記事では、「なぜ普通の家庭でも相続税に備える必要があるのか?」をやさしく解説します。
しかしこの基礎控除は、2015年に大幅に引き下げられたため、課税対象となる家庭が増加しています。
【相続税の基礎控除の計算式】
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
たとえば、両親と子ども2人の家庭でお父さんが亡くなった場合、相続人は3人(母+子2人)なので…
3,000万円 +(600万円×3人)= 4,800万円
つまり、遺産が4,800万円を超えると相続税の対象になるのです。
◆ 都心のマンションや実家の価値が落とし穴に
「うちは現金もそんなにないし、大丈夫」
――そう思っていても、見落としがちなのが不動産の評価額です。
たとえば:
- 親が30年前に2,500万円で購入したマンション
- 都市部にある持ち家(築古でも土地が高額)
これらが固定資産税評価額や路線価ベースで高く評価されてしまうこともあり、気づかないうちに課税対象となっていることがあるのです。
◆ 預貯金にも相続税がかかる
銀行口座にある現金ももちろん相続財産の一部です。
相続発生後は金融機関が口座を凍結するため、手続きが済むまでは引き出すことができません。
相続税の申告・納税は原則として10ヶ月以内。
もし納税が必要な場合、現金で用意できないと他の財産を売却して対応することもあり、トラブルの元になります。
◆ 名義が“親のまま”は危険信号
よくあるトラブルが、「親の名義のまま放置していた財産」。
たとえば:
- 実家の土地建物の名義が親のまま
- 銀行口座が亡くなった人の名義のまま
- 名義預金(実際は子どもが使っていたが、名義は親)
こうした状態では、相続時に名義変更が必要になるだけでなく、税務署から課税対象と判断される可能性もあります。
◆ 普通の家庭こそ、今からできる準備を
相続税の対策は、「資産がたくさんある家」だけの話ではありません。
むしろ、限られた資産をめぐって家族関係がこじれるのは“普通の家庭”のほうが多いのです。
今からできる備えとしては:
- 家族で資産状況を共有する(定期的な話し合い)
- 財産目録を作成する(不動産・預貯金・保険など)
- できれば生前贈与や遺言書も検討する
- 司法書士・税理士に事前相談しておく
◆ まとめ|“何もない”家庭ほど備えが必要
「うちにはそんなに財産がないから…」
そう考えている家庭にこそ、相続税の落とし穴は潜んでいます。
相続が「争続」にならないように。
そして、大切な家族を税務や手続きの負担で困らせないように。
相続は、いざという時に“備えの差”がはっきり出るテーマです。
気づいた“今”が、備えるチャンスかもしれません。
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