スペイン代表として数々のタイトルを手にしたサッカー選手、ジェラール・ピケ。彼の言葉に、こんな一節があります。
「仲間を信じる。それがすべての始まりだ」
サッカーはチームスポーツです。どれだけ技術が高くても、仲間を信じられなければ本当の強さは発揮できません。この言葉は、子どもたちがサッカーを通して「信じること」「信じられること」の意味を学ぶうえで、大切なヒントになります。
仲間を信じることは、技術よりも先に学ぶべき“力”
サッカーの試合では、自分ひとりではボールを運べない時間のほうが長いものです。仲間にパスを出す、走りを信じてスペースに出す、ポジションをカバーする――そうした信頼がなければ、どんなに戦術を学んでも機能しません。
子どもにとっても同じです。
- 「あの子にパスを出しても大丈夫かな」
- 「任せたらミスされるかも」
- 「自分がやったほうがいいかも」
そんな不安を乗り越え、仲間を信じてプレーできる子は、自然と試合の中で“チームを動かす存在”になっていきます。
信じられるチーム関係は、日常のコミュニケーションから
仲間を信じる力は、試合中だけで生まれるものではありません。日々の練習、ロッカールームでの会話、学校での関わり。そうした積み重ねの中にこそ、「信じられる関係性」の土台があります。
親としてできるサポートのひとつが、子どもが仲間とよい関係を築くための“きっかけ”を与えることです。
- 「今日は誰と一緒に練習したの?」
- 「◯◯くんのプレー、どうだった?」
- 「困っている子がいたらどうする?」
こうした質問を通じて、子ども自身が“仲間との関わり”に意識を向ける機会をつくってあげることが大切です。
信頼は、時間をかけて育つもの
チーム内での信頼関係は、魔法のようにすぐには生まれません。ミスをしても責められない環境、思ったことを言える空気、成功したら一緒に喜べる関係。そうした土壌があってこそ、仲間を信じる力が育っていきます。
そのために必要なのは、周囲の大人も含めた“関わり方”の工夫です。
- ミスをしても人格を否定しない
- 結果ではなく取り組みを褒める
- チーム全体で喜びや悔しさを共有する
こうしたサイクルが回ることで、子どもたちは「信じるって心地いいことなんだ」と実感できるようになります。
信じる力が、子どもの可能性を引き出す
信じる力は、サッカーだけでなく、人生全体において大きな力になります。
- 仲間を信じてパスを出す勇気
- コーチを信じて練習に取り組む姿勢
- 自分を信じて勝負する強さ
こうした積み重ねが、自信となり、挑戦する力になっていきます。
最後に ― 信じることの価値を、子どもに伝えるために
親である私たちができることは、「信じるってかっこいいことだよ」と子どもに伝え続けることです。
うまくいかなかった日も、仲間とぶつかった日も、それでも「信じよう」とする気持ちがあれば、その子は確実に成長しています。
信じることで生まれる強さと優しさを、これからも子どもと一緒に育てていきたいですね。
内部リンク
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