「100回パスを受けても、1回決めなきゃ意味がない」
この言葉を残したのは、ポーランド代表のエースストライカー、ロベルト・レヴァンドフスキ選手です。
得点王として何度も結果を残してきた彼が大切にしているのは、「チャンスを確実にモノにする力」。
どれだけ準備しても、最後の1秒で集中を欠けばゴールは生まれません。
今回はこの名言をきっかけに、子どもの「決め切る力」を育てるにはどうしたらよいかを、親や指導者目線で具体的に考えてみます。
決め切るとは「集中を一点に集める力」
サッカーの試合中、シュートチャンスは思ったより少ないものです。
そのわずかな瞬間に、正確な判断と技術、そしてメンタルの強さが求められます。
「決め切る」とは単に技術的な話だけではなく、
- プレッシャーの中でも落ち着いて判断できる
- 迷わず打つと決められる
- 結果がどうあれ、やり切る気持ちを持てる
というメンタル面の要素が大きく関わっています。
「集中力」は日々の練習で育つ
一瞬の集中力は、実は日常的な習慣の中で鍛えることができます。
たとえば…
- シュート練習のとき、最後の一歩まで丁寧に蹴る
- ゴール前のトラップやステップを毎回同じリズムで意識する
- 外した後もすぐに気持ちを切り替えて、次に集中する練習をする
こうした練習の質が積み重なることで、「本番の1回」に自信を持って臨めるようになります。
重要なのは「何本も打っていればそのうち入る」ではなく、「1本にこだわる」こと。
だからこそ、数より質に目を向けた練習が必要です。
プレッシャーの中で判断する力を育てるには?
試合中のシュートには、相手DFのプレッシャー、味方からの視線、ゴールを外したくない気持ち…様々なストレスがかかります。
その中でも「自分の判断で打てるかどうか」は大きなポイントです。
親や指導者ができる関わりとしては、
- 普段の練習でも「今のはなぜ打たなかった?」と問いかけてみる
- ミスを責めず、「次はどう打とうと思ってる?」と前向きに考えさせる
- 成功・失敗より「判断して打てたこと」を評価する
といった姿勢が、子どもの“判断する力”を育てるサポートになります。
緊張と向き合う力をどう育てる?
大事な場面になるほど、子どもは緊張しやすくなります。
でも、「緊張してはいけない」と抑えるのではなく、「緊張するのは当たり前」と認めてあげることで、心の余裕が生まれます。
- 「ドキドキするのは、それだけ大事な場面なんだね」
- 「その緊張、いい集中につながるかもしれないよ」
- 「うまくいかなくても、やり切った自分はすごいと思うよ」
こうした言葉は、緊張を“悪者”にせず、“力に変える感覚”を子どもに伝えることができます。
決め切る力は、メンタルと日々の積み重ね
「決める力」とは、生まれ持った才能だけではなく、「日々の準備」と「心の持ちよう」によって育っていくものです。
- 普段の練習から1本1本を大切にすること
- 自分で判断し、責任をもって打つこと
- 緊張を受け入れ、やり切る姿勢を持つこと
それが、チャンスをチャンスで終わらせず、“結果につなげる”ための本当の力になります。
おわりに ― 「1回を決める」大切さを伝えよう
ロベルト・レヴァンドフスキ選手が語るように、「100回のチャンス」より「1回の結果」が勝負を決めることがあります。
子どもがサッカーを通じて、「ここぞという瞬間に集中する力」を身につけていくことは、試合の勝ち負け以上に価値のある成長です。
親としては、成功も失敗も含めて「その1回に全力を注げたか」を認めること。
それが、子どもの“決め切る力”を支える最高の応援になるはずです。
内部リンク
- サッカーは頭でやるスポーツ ― “考える練習”が上達の鍵になる
- チームのために走るということ ― 小1でも伝わる「仲間を思う心」の育て方
- 才能より“努力の質”を信じる ― 子どもの自信を育てる親の関わり方