「成功に近道はない。ただ、やめないことが唯一の鍵だ」
この言葉を語ったのは、エジプト出身の世界的ストライカー、モハメド・サラー選手です。
彼は欧州で注目されるまでの道のりで、何度も挫折や壁にぶつかりました。それでも「やめなかった」ことが、今日のサラーをつくったのです。
今回はこの言葉をヒントに、子どもがサッカーや勉強、そして人生の中で「継続する力」をどう育んでいけるか、そのために親ができる関わり方を考えていきます。
継続することは、才能より難しい
継続とは、「今日もやる」「明日もやる」「できなくてもやる」という積み重ねのことです。
誰にでもできそうに思えて、実は一番難しいことかもしれません。
- すぐに結果が出ない
- 他の子のほうがうまく見える
- 飽きてきた、しんどい
こうした気持ちは、子どもだけでなく大人にもあるものです。
だからこそ、“やめない力”は努力や根性ではなく、「工夫」や「理解」の中から育てていく必要があります。
小さな「できた」が継続の燃料になる
継続のコツは、「大きな成果」ではなく「小さな成功体験」にあります。
たとえば、次のような経験です。
- 昨日はできなかったターンが今日はできた
- 苦手だったトラップが1回成功した
- 最後まで走り切れた
こうした“小さなできた”を、親が見逃さずに言葉にしてあげることで、子どもの中に「またやってみよう」という気持ちが育ちます。
「がんばったね」ではなく、
「昨日よりボールタッチがスムーズだったね」
「自分で気づいて修正してたの、すごいね」
といった“変化を見つけて伝える声かけ”が効果的です。
「やめたくなったとき」にどう寄り添うか
どんなに好きなことでも、やめたくなる瞬間は必ずあります。
そんなときに親がすべきことは、「無理に続けさせること」ではありません。
- 「ここまでよく続けてきたね」
- 「休んでも、またやりたくなったら始めたらいい」
- 「一回離れてみるのも、自分で選んだことならOK」
こうしたスタンスで接することで、「やめない=無理する」ではなく、「自分で決めて動く」という姿勢を育てることができます。
実は“やめる自由”を認めることで、“やめない強さ”が育つこともあるのです。
続けることは、自分との約束を守ること
「やめない力」は、他人との競争ではなく、「昨日の自分」と向き合うことから始まります。
- 「昨日より1本多く走れた」
- 「先週より声を出せた」
- 「ちょっとだけ工夫してみた」
こうした“自分との小さな約束”を積み重ねることが、継続の本質です。
そして、そのプロセスを認め、喜んでくれる存在がいれば、子どもは自然とまた前に進もうとします。
おわりに ― やめないことが未来をつくる
モハメド・サラー選手は、トップリーグで通用しない時期もありました。
何度もベンチを温め、他国へ移籍し、失敗を経験しながら、それでもやめませんでした。
「成功に近道はない。ただ、やめないことが唯一の鍵だ」
この言葉には、努力を支え続けた“日々の積み重ね”が詰まっています。
子どもにとっての継続は、「親にほめられた」「ちょっと進んだ」「やればできた」――そんな感覚の連続です。
その一歩一歩を見守ることが、未来につながる最大の応援になるのです。
内部リンク
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