「サッカーは頭でやるスポーツだ」
この言葉を残したのは、元イタリア代表の天才司令塔アンドレア・ピルロです。
一見すると、サッカーは体を使うスポーツ。しかし、真に上達する選手は“頭を使っている”という事実を、ピルロは私たちに教えてくれています。
体だけでなく、頭で“考える”サッカーへ
サッカーの試合は、常に状況が変化します。ボールがどこにあるか、自分のポジション、味方や相手の動き、次に何が起きそうか――。これらを瞬時に判断してプレーする必要があります。
そのためには、身体能力だけではなく「判断力」「予測力」「状況理解力」が欠かせません。これが“頭を使うサッカー”の正体です。
特に小学生のうちは「ただ走る」「ボールに突っ込む」だけのプレーになりがち。ここから一歩抜け出すために、親としてできるサポートがあります。
ポジショニングを“感覚”ではなく“考え”で理解する
例えば、子どもが試合中に「なぜそこに立っているのか」を自分で説明できるようになると、大きく成長します。
ポジショニングの基本を言葉にすると、以下のようになります。
- 味方がボールを持っているとき → パスを受けられる位置に動く
- 相手が攻めているとき → 自分のマークやスペースを守る
- ボールがサイドにあるとき → 中央に絞ってゴール前を守る
こうした“理由ある動き”を繰り返すことで、プレーに一貫性が生まれ、味方との連携も高まります。
視野の広げ方と、その鍛え方
サッカーでは「視野の広さ」がプレーの質を大きく左右します。
具体的には、ボールを受ける前に首を振って周囲を見ること。これにより、次のプレーを早く判断でき、相手より一歩先に動けます。
家庭でできるトレーニングとしては、次のような方法があります。
- パス練習中に「今、背後に誰がいた？」とクイズを出す
- 試合動画を一緒に観て、「この選手はどこを見てたかな？」と問いかける
- ドリブル練習時に、親が指を立てて数を見せ、子どもは首を振りながら答える
これらの声かけや遊び感覚の工夫で、自然と視野が広がる習慣が身についていきます。
親の声かけが“考える子”を育てる
「なんでそうしたの？」
この問いかけを、プレー後にぜひ使ってみてください。
ミスを責めるのではなく、子どもに「自分の意図」を考えさせることで、プレーに自信と意味が生まれます。
例えば、
- 「そのパス、なぜそのタイミングだった？」
- 「ポジションを下げたのは、どんな理由があったの？」
このような質問を通じて、「考えることがサッカーの一部なんだ」と気づくようになります。
おわりに ― “脳を鍛えるサッカー”のすすめ
サッカーの上達において、頭を使うことは不可欠です。
ポジショニング、視野、判断――。これらは身体と同じように“トレーニングできる能力”です。
ピルロの言葉が響くように、頭を使ってプレーすることは、サッカーの“本当の面白さ”を引き出します。
親としてできるのは、子どもの中に「なぜ？」という問いを育てること。
そして、その問いに寄り添い、共に考える時間を持つこと。
それこそが、未来の“考える選手”を育てる第一歩になるのです。
内部リンク
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