配当金で資産を育てたい。
そんな思いから、高配当株やETFへの投資を始める人は少なくありません。
「配当金があれば暴落も怖くない」
「毎月チャリンチャリンと入ってくる不労所得が夢」
こうした考え方は、インカム投資を志す中級者にとってごく自然なものです。
でも、本当に配当金は“安心材料”なのでしょうか?
今回は、インカム投資の落とし穴とその付き合い方について、冷静に整理してみます。
【配当金投資の魅力】
まず、配当金には間違いなく魅力があります。
・定期的に現金収入が得られる
・再投資すれば複利の力を活かせる
・相場の上下に左右されにくい「精神的な安心感」がある
これらは、FIREやセミリタイアを目指す人にとって重要な要素。
ただし、良い面ばかりを見ていると、見落とすリスクがあることも事実です。
【落とし穴①:減配・無配の可能性】
配当金は「保証された収入」ではありません。
企業の業績が悪化すれば、当然ながら減配や無配になることもあります。
過去には、好配当が売りだった銘柄が一気に無配に転落し、株価も急落したケースも珍しくありません。
→ 対策:配当性向や財務体質、過去の配当履歴をチェックし、配当が無理なく支払われているかを確認しましょう。
【落とし穴②:税金で目減りするリターン】
配当金には20.315%の税金がかかります(NISAを除く)。
例えば、利回り4%の配当も、実際に手元に残るのは約3.2%。
しかも受け取るたびに課税されるため、再投資の効率も下がります。
→ 対策:「税引後利回り」で比較する習慣をつけましょう。
また、成長株とのバランスも検討したいところです。
【落とし穴③:株価が成長しにくい傾向】
高配当株は、成熟企業が多く「これ以上の成長が見込めない」という理由で配当を厚くしていることがあります。
そのため、キャピタルゲイン(値上がり益)は期待しにくい傾向があります。
→ 対策:インカム重視でも、「安定しつつ成長余地のある企業」を選ぶのがポイントです。
配当利回りだけでなく、「なぜこの企業に投資するのか」という軸も大切に。
【落とし穴④:配当目当てで塩漬けに】
配当があると「持っているだけでお金が入るから大丈夫」と思ってしまい、
株価が下がっても売らずに放置しがちです。
結果として、大きな含み損を抱えてしまうリスクも。
→ 対策:配当利回りだけに頼らず、「総合的に見て割高ではないか?」という視点を持ちましょう。
定期的な見直しは必須です。
【それでも“心の支え”になる存在】
配当金は、投資家にとって“報酬”であり“励み”です。
暴落時にもらえる数千円・数万円が、メンタルの支えになるというのはリアルな体験でしょう。
大切なのは、「安心=盲信」にならないこと。
・税金・成長性・配当の持続性を冷静に見る
・自分がなぜ配当を求めるのか、目的を明確にする
・他の資産や戦略とのバランスを取る
こうした視点を持つことで、配当株投資はより“戦略的”なものになります。
【まとめ:配当株は“目的”に応じて使いこなす】
配当金は確かに魅力的ですが、それだけに頼ると足元をすくわれることもあります。
落とし穴を知ったうえで、自分のライフプランや資産形成ステージに合わせて活用していくことが大切です。
「今、なぜ配当を求めているのか?」
その問いを持ちながら、自分にとってベストな投資スタイルを育てていきましょう。
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