分散投資。
リスクを抑えるために、投資の基本として多くの人が実践しています。
「S&P500に投資しているから安心」
「ACWIに連動した投資信託で、全世界に分散できている」
確かに間違いではありません。けれど、それでも不安が消えないのはなぜ?
今回は、そんな疑問を抱く投資中級者に向けて、「実は分散できていない」3つの落とし穴をわかりやすく解説します。
【分散投資とは?】
そもそも分散投資とは、投資対象を複数に分けることで、特定のリスクに偏らないようにする手法です。
たとえば:
・複数の企業に分散
・複数の業種に分散
・複数の地域や国に分散
・複数の資産クラスに分散(株・債券・現金など)
広く分ければ分けるほど、リスクの集中を避けられるはずなのに……なぜ「不安」は残るのでしょうか?
【1. 実は“中身”が同じ銘柄ばかり】
例えば、S&P500と全世界株(ACWI)に投資していても、構成上位は結局同じような米国ハイテク株が占めています。
Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIAなどの比率が大きければ、「別のファンド」に見えても実質的には同じ企業に集中投資している状態かもしれません。
→ 対策:ファンドの「上位銘柄」や「国別比率」をチェックして、本当に分散できているかを確認してみましょう。
【2. 通貨の分散ができていない】
米国株や全世界株に投資していると、資産の多くが「米ドル建て」になります。
円安のときは嬉しい反面、円高になれば評価額が一気に下がるリスクも。
つまり、**為替の影響で資産が上下する「通貨集中リスク」**が生まれてしまいます。
→ 対策:国内株や円建て債券・現金を組み合わせて、通貨の分散も意識することが大切です。
【3. 株式だけに偏っている】
「分散してるつもりでも、全部株だった…」
これは意外と多いパターンです。
株式は長期的に成長が見込めますが、暴落時の下落率も大きいため、リスク耐性のバランスが崩れがちです。
→ 対策:現金・債券・REIT(不動産)など、異なる値動きをする資産を組み合わせることで、真の意味でのリスク分散になります。
【まとめ:分散投資の本質を理解しよう】
「分散してるのに不安になる」その感覚は、間違っていません。
なぜなら、“分散したつもり”になっているケースが多いからです。
・中身が偏っていないか?
・通貨や地域に集中していないか?
・資産クラスは広く取れているか?
こういった視点で定期的にポートフォリオを見直すことが、投資中級者から上級者への第一歩。
分散投資は「魔法」ではなく、「戦略」です。
見えないリスクと向き合いながら、地に足のついた投資をしていきましょう。
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