「NISAで積立しつつ、iDeCoでも老後資金を準備中」
今や“二刀流”は当たり前になってきました。
でも中級者こそ注意すべきなのが、この2つの「出口戦略のズレ」です。
• いつ、どう取り崩すか?
• 税金は?
• 使いたい時に使えるのか?
今回は、NISAとiDeCoを併用する上で見落とされがちな、出口設計の盲点を解説します。
■【1】NISAは“自由”、iDeCoは“固定”
まず、制度の大きな違いが「受け取りの自由度」。
• NISA:非課税でいつでも売却・現金化が可能
• iDeCo:原則60歳まで引き出し不可+受け取り方で税金が変わる
→ どちらかを“短期用”、どちらかを“老後用”と意識的に分ける必要があります。
■【2】取り崩し時に課税されるiDeCo
iDeCoは拠出時に「全額所得控除」で節税になりますが、
受け取り時には課税されます(退職金控除や公的年金控除の枠内での調整が必要)。
• 一時金としてまとめて受け取るか
• 年金形式で分割して受け取るか
→ 退職金や企業年金とのバランスも見ておかないと、節税どころか“課税対象が増える”リスクも。
■【3】資金が必要なタイミングに引き出せない罠
仮に50代でFIREしたくても、iDeCoの資金は原則使えません。
NISAと違って“自由に引き出せる資産ではない”という事実を忘れずに。
→ FIRE志向ならNISA重視。老後資金ならiDeCo重視。
このように“目的別に制度を使い分ける”ことが求められます。
■【4】出口設計のズレ=資産活用の非効率
よくある失敗例:
• iDeCoの税制優遇に惹かれすぎて、全力拠出
→ でも将来は課税対象+受け取り制限あり
• NISAの非課税枠をゆるく使い、必要な時に現金不足
→ 結局、特定口座から取り崩し
→ 「老後用」「中期用」「流動資金」として、役割分担を明確にしておくことが重要です。
■【5】最終的に“出口から逆算”して設計する
これからの時代、積み立てるだけでは不十分。
• いつからどれくらい取り崩す?
• 税金はどうなる?
• そのとき働いているか、年金を受け取っているか?
受け取り時のライフプランから逆算して、NISAとiDeCoを組み立てるのが中級者の一歩先です。
■まとめ:二刀流こそ“使い分け”と“出口”が命
• NISA=柔軟な資産形成枠(中期〜FIRE用)
• iDeCo=税制優遇の老後専用枠(長期・老後用)
どちらも活用すれば強力ですが、
「使うタイミングと課税の違い」を知らずに併用すると、むしろ損する可能性も。
攻めと守り、短期と長期。
バランスを見ながら、自分だけの資産設計図を描いていきましょう。
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