“バリバリ働かない”は悪なのか?
近年、一部のビジネスパーソンの間で、「ほどほどに働く」という新しい価値観が広がりつつあります。
会社にはきちんと通う。与えられた業務はきちんとこなす。だけど、それ以上は求めない。評価を競ったり、昇進を目指すことはせず、自分のリズムで仕事をこなすスタイルです。
このような働き方は、単なる“手抜き”ではなく、むしろ合理的な選択とも言えます。
無理をしない、でも成果は出す
たとえば、ある30代後半の男性は、現在リモートワーク中心のITコンサル会社でプロジェクト単位の仕事を請け負っています。
「朝から晩まで働くより、限られた時間で集中して成果を出したほうが効率的」と語る彼は、週4日勤務で生活を回しつつ、副業でライティング業も展開。トータルで年収は1000万円を超えているそうです。
かつては通勤と残業に追われる日々を過ごしていましたが、過度なストレスで体調を崩した経験をきっかけに、「働き方そのものを見直そう」と決意。
今では“必要な分だけ働き、あとは自分の時間を大切にする”という生き方を実践しています。
「会社ファースト」から「自分ファースト」へ
こうした価値観の背景には、働き方の多様化があります。
昔のように「昇進こそ正義」「残業=努力」といった時代は終わりを迎え、今は「どう生きるか」を重視する人が増えています。
この変化は、若年層だけでなく、育児中の女性や40代以上の中堅社員にも見られる傾向です。
仕事に全力を注ぐ人もいれば、プライベートを重視して仕事を抑えめにする人もいる。それぞれが無理なく続けられる範囲で働く――それが現代のリアルな働き方のひとつなのかもしれません。
組織とのズレはどう埋める?
もちろん、このようなスタイルに対して「やる気がない」「空気を読まない」といった声もあるのは事実です。
特に上司層からは、「連帯感が薄れる」「仕事が偏る」といった不満も上がっています。
ですが、今の時代、“言われたこと以上にやらないと評価されない”という前提が崩れつつあるのも事実。
成果を出せば十分。無理して人一倍動くことが、必ずしも報われるとは限りません。
これからの働き方に必要な視点
これからの社会では、「頑張る人が評価される」のと同じくらい、「頑張らない自由」も尊重される時代になっていくはずです。
そして、企業側もまた、社員の働き方に対する価値観の変化を受け止め、多様なスタイルを許容する組織文化が求められています。
「働きすぎないこと」が、むしろ賢い選択肢として定着する未来。
その兆しは、すでに始まっているのかもしれません。
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