2025年5月13日、日産自動車が大規模なリストラ計画を発表しました。
これは、日本の製造業における構造改革の波、そしてグローバル経済の激動を象徴するニュースです。
この記事では、今回の発表内容とその背景、今後の影響をわかりやすくまとめました。
■ 日産、7工場閉鎖・2万人削減の大規模リストラへ
日産は2027年度までに、国内外の完成車工場7カ所を閉鎖し、従業員約2万人を削減する方針を明らかにしました。これは、現在の全従業員の約15%に相当します。
• 完成車工場:17拠点→10拠点へ縮小
• 削減対象:国内・海外の両方
• 工場閉鎖予定例:タイ工場など
■ 2025年3月期決算は6708億円の赤字、過去最大級の損失に迫る
今回の構造改革発表の背景には、業績の急激な悪化があります。
• 2025年3月期の純損益:▲6708億円(赤字)
前期の黒字(4266億円)から一転、大幅赤字へ
• 赤字幅は過去最大だった2000年3月期(▲6843億円)に迫る水準
販売不振が深刻化しているのは、特に米国と中国市場です。
■ トランプ関税政策がさらなる不透明感を拡大
4月に発動された**「トランプ関税」**(米国による高関税政策)は、日産の経営に深刻な打撃を与えています。
• 2026年3月期の損益予想は「合理的な算定が困難」として公表を見送り
• トランプ関税の影響額は、最大4500億円規模に上る可能性も
イバン・エスピノーサ社長は会見で、「高コスト構造の是正が急務。収益性を確保できる体質へ転換する必要がある」と語り、リストラ強化の意図を明確に示しました。
■ 今後どうなる?日産と自動車業界の行方
今回の発表は、単なる日産の問題ではありません。
• EV(電気自動車)シフトによる設備投資負担
• 為替変動と資源高
• 地政学リスクの高まり(米中摩擦など)
といった複合的な要因が、グローバル自動車メーカー全体に重くのしかかっています。
■ まとめ:個人投資家・就活生・ビジネスパーソンが注目すべきポイント
• 投資家目線:業績悪化=株価下落と短絡的に見るのではなく、再建プランや今後の成長市場(EV・アジア市場)への対応を注視すべき
• 学生・就活生目線:ネームバリューだけで企業を選ばず、「何をつくるか」「どこで稼ぐか」の中身を見るべき
• ビジネスパーソン目線:大企業であっても、時代に適応できなければ生き残れないというリアルを突きつけられる出来事
日産の動向は、日本経済全体の縮図とも言えます。今後も変化に柔軟に対応し、自らの選択と行動で未来を切り拓いていきましょう。
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